「産後パパ育休」「パパ・ママ育休プラス」ってどう違うの?人事担当者が知っておくべき男性育休制度の全体像
全国の人事・給与計算担当のみなさま、こんにちは!
男性の育休取得がやっと当たり前の時代になりましたね。
でも…制度の名前やルールが増えすぎて、頭の中がこんがらがっていませんか?
「産後パパ育休と普通の育休って何が違うの?」
「パパ・ママ育休プラスって、どういう時に使える制度だっけ?」
「分割取得って結局何回までできるの?」
今回は、押さえておくべき男性の育休制度(「産後パパ育休」「育児休業」「パパ・ママ育休プラス」)の全体像と実務のポイントをスッキリ整理して解説します!
子の出生直後に柔軟に休める「産後パパ育休(出生時育児休業)」
まずは、赤ちゃんの出生直後に特化した制度「産後パパ育休」です。
・対象時期:子の出生後8週間以内
・取得可能日数:通算4週間(28日)まで
・分割取得:2回に分割して取得可能(※最初にまとめて申し出ることが必要です)
・申出期限:原則として休業開始の2週間前まで
最大の特徴は、事前に労使協定を締結していれば、休業中でも従業員との合意の範囲内で「一時的な就業(仕事)」が認められている点です。 「1か月丸々現場を空けるのは難しい…」という男性社員でも、繁忙日や引き継ぎのために数日出社しながら休業する、といった柔軟な取り方が可能になります。
後で出てきますが、子の出生後8週間以内に14日以上、出生時育児休業を取ることで、配偶者(妻)が出生後支援給付金を受け取ることができます。
1歳までじっくり育児に関わる「育児休業(通常の育休)」
次に、従来のベースとなる「育児休業」です。産後パパ育休とは枠組みが別で設けられています。
・対象時期:原則として子が1歳に達するまで(保育所に入れない等の事情があれば最長2歳まで延長可能)
・分割取得:原則として2回に分割して取得可能
・申出期限:原則として休業開始の1か月前まで
産後パパ育休(2回)と通常の育児休業(2回)を組み合わせることで、男性社員は1人の子どもに対して「最大4回」に分けて育休を取得することができます。 「妻の出産直後に1回、ママの復職時期に1回…」といった形で、家庭の状況に合わせた柔軟な計画が立てられます。
夫婦でバトンタッチして期間を延ばせる「パパ・ママ育休プラス」
「パパ・ママ育休プラス」は、夫婦ともに育休を取得する場合に使える特例制度です。
・概要:通常は「子が1歳になるまで」の育休期間を、父母ともに取得する場合は「子が1歳2か月に達する日まで」延長できます。
・主な要件:
①配偶者が子が1歳に達する日以前に育休を取得していること
②本人の育休開始日が、子の1歳到達日の翌日以前であること
③本人の育休開始日が、配偶者の育休開始日以後であること
ここでの注意点は、「1人あたりの育休期間の上限(1年間)が増えるわけではない」という点です。 例えば、ママが産後休業から引き続き育休を取り、途中でパパが育休に入ってママからバトンタッチ(あるいは交替)して1歳2か月まで交代で育てる、といった「復職時期の調整」に非常に役立つ制度です。
実務と経済的支援のポイント
制度を理解したら、実際の申請・手続面でも以下のポイントを確認しておきましょう。
経済的支援(給付金と社保免除)
・ 休業開始から180日目までは賃金の67%(181日目以降は50%)の育児休業給付金が支給されます。
さらに、2025年4月からは夫婦ともに一定期間内に14日以上の育休を取得すると、13%が上乗せされる「出生後休業支援給付金」も始まっています。
・また、休業期間中の社会保険料(健康保険・厚生年金保険)は免除対象となります(※月末休業または同一月内に14日以上の休業等の要件あり)。
事前ヒアリングと意向確認
・本人または配偶者の妊娠・出産等の申出があった際、企業には制度の個別周知と取得意向の確認が義務付けられています。 「いつ、どの制度を使って休む予定か」「給付金の受給要件(14日以上等)を満たしそうか」を早めにヒアリングし、社内手続きを進めることがトラブル防止につながります。
最後に
男性の育休制度は、取得タイミングや回数の自由度が増した分、担当者様が「どの制度・給付金の要件に当てはまるか」をパズルのように組み立てて確認する必要があります。
「社員から出された育休計画で、パパ・ママ育休プラスが適用できるか確認したい」 「社内の育休受給チェックリストや申請書フローを見直したい」
など、お困りの際にはいつでもご相談ください。 御社にお伺いし、社長や役員の方、給与計算担当者のお悩みをお聞きします。
松本労働法務事務所 代表 社会保険労務士 松本洋太 chellissta@gmail.com