定額減税が給与計算に与えるインパクト? その3

  さてさて、定額減税についてのコラムも3回目になりました。 給与計算が重要な業務のひとつである私たちにしては、なかなかに面倒で実務に影響の大きい制度だと思っています。 しかし、決まったものは仕方ありません。 できる限り、早く終わってほしいっ…! というか、そもそも源泉所得税が1ヶ月で30,000円以上になる従業員って、給与いくらもらってんの!?って思いませんか?   定額減税が1回で完了する給与金額を簡単に計算してみました。 (介護保険料がかからない39歳以下で計算※令和6年1月時点の料率) 労働者負担となる社会保険料率は下記のようになります。 健康保険料    5.18% 厚生年金保険料  9.15% 雇用保険料     0.6% 計        14.93%   所得税法の扶養親族0の場合 本人のみですので、定額減税額は30,000円。 源泉所得税月額表を確認してみると、源泉所得税が30,000円を超えるのは、社会保険料等控除後の給与金額が503,000円〜506,000円の場合です。 503,000円を100%-14.93%=85.07%で割り返すと 課税支給額 592,277円以上 う〜ん、結構稼いでる方ですね〜。    所得税法上の扶養親族1名の場合 ・定額減税対象の扶養親族1名の場合  →定額減税の金額 本人分30,000円+扶養親族分30,000円=60,000円 社会保険料等控除後の金額が707,000円〜710,000円で60,480円です。 課税支給額 831,080円以上   ・定額減税対象の扶養親族2名(配偶者+16歳未満1名)の場合   →定額減税の金額 本人分30,000円+扶養親族分30,000円×2=90,000円 社会保険料等控除後の金額が844,000円〜で90,120円です。 課税支給額 992,124円以上 キリがありませんので、このあたりにします・・・  実際には1回の給与計算で定額減税が完了する対象者はごくごく少数になると考えられます。   ということは、ほとんどの社員については、定額減税をした金額と 定額減税の残りの金額を毎月計算した上で給与明細に記載し、管理する必要があるということです。   普通に考えて、これ、とても面倒ですよね。 給与ソフトを導入していても、チェックは必須ですし、ましてやソフトが無い場合は・・・   残り5ヶ月程度です。早めに対応を検討していきましょう。   ご不明な点は、いつでもご相談ください。 御社にお伺いし、社長や役員の方、給与計算担当者のお悩みをお聞きします。 松本労働法務事務所  代表 社会保険労務士 松本洋太 chellissta@gmail.com