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労働保険料の年度更新の注意点について

給与計算担当のみなさま、お疲れ様です!

 

6月が終わろうとしていますが、労働保険料の年度更新はお忘れないでしょうか?

労働保険料の年度更新は、毎年一度、労働者がいる全ての事業所が行う重要な手続きです。今回は労働保険料の申告にあたっての注意点について解説します。

 

1. 前年度の給与総額の正確な集計

前年度の給与総額を正確に集計することは、労働保険料の計算において非常に重要です。給与、賞与、残業代など、すべての賃金を漏れなく集計しましょう。特に、以下の点に注意してください。

正社員だけでなく、パートやアルバイトの賃金も含めること・・・常用労働者と臨時労働者(雇用保険対象外のパート・アルバイト)とに分けて集計が必要です。

・集計期間を確認すること・・・基本的に保険料算定期間(4月分から翌年3月分まで)に確定した賃金を集計します。支給月ではないというところがポイントですね。

(社会保険料の基礎算定は支給月で集計するので、混乱しがちです)

通勤手当手当なども含めて計算すること。

※労働保険における賃金とは、名称のいかんを問わず労働の対象として支払うすべてのものと定められています。

通勤手当・家族手当・住宅手当・休業手当などは労働保険の賃金として集計が必要です。

逆に、労働保険の賃金としないものとしては、結婚祝金や弔慰金・実費弁済と考えられる出張手当・宿泊費などがあります。

 

2. 保険料率の確認

雇用保険料率や労災保険料率は年度ごとに変更があります。最新の料率を確認し、正確に計算しましょう。

 

3. 申告書の記入ミスに注意

年度更新申告書の記入には多くの項目がありますが、特に注意すべき点は以下の通りです。

事業所名や所在地、労働者数の記入ミスを避ける・・・これは大丈夫、と思いきや事業所の住所じゃなくて本社住所を記入しちゃったり。

計算結果の再確認を行い、誤りがないかチェックする・・・検算は大事っす。

• 申告済み概算保険料の記入もれや誤りが無いかチェックする・・・送られてきた用紙には、すでに記載されていますが、会社で電子申告する場合には昨年の申告書を必ず確認しましょう。

これ、間違えがちなポイントです。

 

4. 提出期限を守る

年度更新の提出期限は通常、6月1日から7月10日までです・・・早めの準備を心がけましょう。

 

5. 保険料の納付方法

保険料の納付は、銀行や郵便局で行うことができますが、オンラインバンキングを利用することも可能です。オンラインバンキングを利用することで、納付の手間を軽減し、時間を節約することができます。

 

6. 不明点は早めに相談

労働保険料の年度更新は、やや複雑な手続きですが、不明点や疑問があれば早めに相談することが重要です。労働基準監督者や社会保険労務士に相談することで、スムーズに手続きを進めることができます。

 

最後に

年度更新は手間がかかる作業ですが、給与をきちんと集計できれば申告書も作成できます。まだの方は、できれば、給与ソフトを導入しましょう!

お困りの際には、いつでもご相談ください。

松本労働法務事務所 
代表 社会保険労務士 松本洋太
chellissta@gmail.com